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このたび新しくコラムを書かせていただくことになりました藤井千里と申します。
私は『接遇マナー&ホスピタリティコンサルタント』という長い名前を自分でつけて活動しています。 記念すべき初回は、今の私の原点であるエアライン時代のエピソードを紹介したいと思います。
新人スチュワーデス(現在はキャビンアテンダントと呼んでいます)の頃の話です。
東京−大阪路線はビジネスマンが多く、飛行中はお休みになる方がたくさんいらっしゃいました。私たちは毛布をおかけするのですが、気持ち良さそうに眠っていらっしゃる方を起こしてしまうこともあり、そんな時は本当に申し訳なく感じていました。
そこで、私は「毛布をかけるという行為を極めたい!」そう思いました。
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「毛布をかける」には外せないポイントがあります。
- まずは眠っているお客様を起こさないこと。
- となりのお客様のテリトリーを守り、邪魔しないこと。
- ほこりをたてないこと…など…
その結果、「足元からかけ始め、静かに胸まで広げてふんわりそっとかける」 ことで3つのポイントがクリアできました。
そして私がいつもこだわっていたのは「美しい動き」でした。 ですから、4つ目のポイントとして「かけ方の美しさ」を工夫しました。 眠っているお客様には見えませんが、誰がどこから見ているかわかりません。
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美しい動きは誰の目にも気持ちがいいものです。これは見せるサービスなのです。
けれども、その当時の私がそこまで考えていたかどうかは不明です。ただ自分自身が美しい動きにこだわりたかった、それだけだったように記憶しています。
これらの工夫とこだわりは、私の仕事をマンネリ化せず、楽しくしてくれました。
「洗練されたサービス」はお客様だけのものではなく、双方がともに嬉しくなるものなのです。 これがホスピタリティの世界です。
「私から生まれるサービスはより良く、美しくありたい」この欲求が私を成長させ、今へと導いてくれたように思います。
あなたは何を求めていますか?
野心からではなく、良心から生まれた欲望に遠慮は無用です。
強く求め続けてください。そこからすべてが始まります。
さあ、素敵なマナーの世界へ、ご一緒にテイクオフしましょう!
Chisato Fujii
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