ラテン語で「手」のことを「マヌス」と言います。 マナーはこのマヌスを語源としますので、切っても切り離せないものが「手」なのです。
以前「目」の表情について書かせていただきましたが、「目は口ほどに物を言う」以上に、「手」は多彩な表現を可能にします。特に、「手を組む」「手をやく」などの慣用句にも見られるように、人と人とのつながりを表現するコミュニケーションの代表格でもあります。
「握手」がその象徴です。 その昔、武器を隠し持っていないことを示すために利き手を差し出したのが握手の始まりだと言われています。現在は初対面の緊張をほぐすための挨拶のひとつとして行われています。 また、「手」の動きをみるとその人の鍛練の度合いがわかります。
西洋料理のナイフ・フォークの持ち方や使い方、口元への運び方…など、これらは誰かに教えられるか、常に真似ることの出来る環境が必要です。ほかに、日本でのお箸の使い方、お茶碗の持ち方、鉛筆の持ち方、お金の扱い方などなど。美しさにはかたちがあり、手順があり、根気が必要、時間がかかるのです。
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