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成功へのレポート

物的に満たされない時代(戦後)は、まずモノ中心に世の中が動きました。高度成長期などはモノが飛ぶように売れました。需要と供給のバランスからいってもそのような典型的な時代であったようです。私は社会人になった時メーカーにおりました。その当時は不良品すら持っていかれる人(仕入れ)がいました、それ程モノ生産が追いつかなかったのです。後述でモノからサービスへ変遷していることを書いていますが、モノの時代の説明をしばらく続けます。モノ中心に全てが進みました、当時起業しようとすれば、大半がモノを絡めた事業ではなかったでしょうか。つまりメーカー・店舗主体であったのです。モノ販売の特性は資本の論理が強いことです、資本巨大化の流れになります。大型店主体で巨大な施設の開発になり、益々郊外型ショッピングスタイルが主流になりました。個人経営となるとモノであれば単品主体の、例えば限られたゾーンへの特化(通販)した世界での勝負はあると考えますが、よほどうまくもっていかないと成功は見込めません。IT時代になった現在も一握りの企業以外は利益が出ていないのが実態です。
私は物販の時代が終わったと考えています(独立者にとって)。
  1. すでにモノが氾濫してしまったことが一番大きな要素です。モノが何も無くていいとは言っていません。その証拠にどうでしょうか、今本当に無くて困る商品何かありますか。良いモノ・ブランド物は売れていますが、機能的にみていかがでしょうか。
  2. モノをメインにした事業を組み込んでいくと周辺に神経をすり減らしてしまう世界が待ち受けています。仕入れ、在庫、販売、価格設定、支払い・・・在庫があれば倉庫もいります、配送ルートもいります・・・そしてビジネスを通した資金回収のリスクが拡大します。かつてのように飛ぶように売れる時代であれば結構なのですが、不良品まで売れると仕入れていった時代はもう二度と来ないでしょう。
  3. 物販は付加価値が付けにくい対象でもあります。ブランド商品のようなモノは簡単には作れません、商品に付加価値をつけるためには大きな投資が必要です。ブランド化していく過程を見ると分かります。
  4. メーカーであればマーケティング上、下水道ルート(在庫過多による別販売ルート)を作らなければならない。小売業であれば高粗利益が確保できない、売れども売れども儲からない、そのような対象が小売業態(IT世界も似ています)になっています。
  5. 前にも書きましたが物販商売をスタートさせる段階で、すでに多大な投資が発生してしまう、特に店舗展開の場合立地・ロケーション等見ても時々刻々と商圏環境が激変している中、変化対応が出来ず苦戦してしまうケースが多くあります。店舗というモノも建築後すぐに老朽化との戦いです。
等々の理由から私は物販商売自身からは脱却することを前提に置いているわけです。モノが絡めば多大な投資・費用がかかってしまうからです。ヒット商品のライフサイクルもあまりにも短く同じような世界を描き続けていきます。

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