SAMURAIグループは、企業のトータルマネジメントサービスを行います。

成功へのレポート61

もの余りの現在、サービス業として全ての産業を業態化しなければ生き残れないことを確信します。旧来の物販の流通でマーケティングを構築すると大変なことになりそうです。
物販の背景には大量生産および販売が前提にあります。多くの生活者が生活(収入)していく上からのムダの効用が不可欠でした。その象徴が3種の神器と言われた家電商品であり、衣食住を主に消費されてきた商品であったはずです。 末端消費者からすると生活の上で最低揃えたい商品、持ちたい商品があったことは事実です。むしろ無いことに対する不便さ、苦痛もありました。耐久品・消耗品ともに行き渡った今となればこれら大量生産・販売をバックボーンにしたマーケティングが崩壊です。
100円ショップに始まり、IT世界ですら、この延長線上に発想があることを危惧します。もう商品はものではなく、違う世界を描き出しているのです。

と言いつつ全くものがいらなくなった訳でもなく、変わらず必須の商材である以上この視点からマーケティングを見つめておきたいのです。大量生産・消費・購入では無くなった時代だけにものへの拘りが半端でなくなったことです。量販でなく、専門販売が見直されている時代。 拘り商品、あなただけ商品、ここにしかない・今しか手に入らない・・・。
かつて専門店が商店街に軒を並べていました、商店街の衰退と共に役割を終焉したかのように消えていくイメージが長らくありました。専門商品(店)を昔のものとダブらせるのではなく独自・特性商材として考えると衰退とは別のテーマであることが理解出来ます。

TVショッピングが変わらずハイタッチな世界を演出しています。大型店やITの世界は大量販売、CVS(コンビニエンスストア)でもあの店舗規模に数千以上のアイテム(種類)の商品が陳列販売されています。TVショッピングはその逆です。1品1品時間をかけて説明します。その商品の多くは大型店の店頭に行けば並べられています。 しかしむしろ店頭では販売不振の商品も少なくないのです。デッドストックになったものもあります。もちろん説明・説得商品と言える商材もあるにはありますが、1品を「極める」ことの方が必要なのです。徹する、極める・・・そんな時代です。大量に手に入る時代だからこそ、プロの極めた商品もそう、販売もそう、求められていることは事実です。

大量販売を追求する最後は「価格競争力」に行き着きます。同じものならば価格の安いものの方に流通はされて当たり前です。であれば資本力の勝負が前提にきます。物販の話をした世界に逆戻りです。
利益追求としてだけではなく、顧客が求めるものを考えると個人別のニーズに行き当たるはずですから個別要望に応えた商品、益々専門性・独自性が求められるし、その対象については消費額・頻度を惜しまない。その対象を相手としたマーケティングを進めないことには収益も利益も取れない・残せない事業になってしまいます。感性の世界を考慮せずとも本来の人間が持っている人間らしさを理解する必要があります(プロ・本物への感動)。 我々が追求しなければならないのは、こちらの方向ではないでしょうか。

←バックナンバーへ戻る前号へ次号へ