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特別寄稿

昔…何かの映画で、久しぶりに帰ってきた息子を見るや否や父親が「何も言わなくていい」と言って抱きしめるシーンを思い出しました。
父の目には、息子の苦労が一目瞭然であり、そこに言葉は無用でした。ひと目で我が子のすべてを理解し受け止めた父…そこには「愛」がありました。

さて、接遇の上でも全く同様です。まずは「みる」ことです。
  客室乗務員が搭乗歓迎のあいさつをしているとき、「いらっしゃいませ」の気持ちは基本ですが、それだけではなく、実に多くの視点で搭乗者を見ています。   (今日は学生が多い)、あるいは(女性が多い)、また(この人ちょっと機嫌悪そうだ…)、(体調悪そう…)、(言動のおかしな人はいないかしら…)などなど。   フライト中にチーフパーサーが全キャビンを歩くのも同じ意味があります。これらの観察は仕事をする上で非常に重要なことです。

私がよく利用するお店のレジスタッフは目の前の客だけを見て仕事をしている人が多く、笑顔もなく、つまらなさそうで、とてももったいないと思います。 そうでない方もいるのでしょうが、全体的に少々元気がありません。

たくさん「みる」ことで、私たちの興味や刺激は多くなります。視野を広げると楽しみが広がるのです。時には、見てしまったために仕事が増えた…そんなこともあるでしょう。 だからと言って目をふさぐのは残念なことです。
目の前の現実を、(もっと言えば)真実に目を向ける…これが「みる」ということではないでしょうか。楽しくなるだけではありません。問題解決や事故を未然に防ぐこともできます。
どれだけのものをどれくらい深く見ることが出来るか…この視野の広さと洞察力の深さが仕事には大切です。180度の視野は当たり前、接遇では360度の視野が必要だと言われています。

映画の話に戻って、父親は360度どころか目に見えない息子の胸の内までをも垣間見たのです。私たちに与えられたこの素晴らしい力をもっと活かして働くことが出来れば、 ほほ笑みが生まれ、きっと深い満足感が得られることでしょう。

Chisato Fujii



筆者 : 藤井千里/プロフィール
  • 全日本空輸(株)入社 キャビンアテンダントとして勤務
  • 航空会社受験予備校講師を経験
  • 2001年「和顔サービスCOMPANY」(現.株式会社和顔)を設立
  • SAMURAI塾2008年1月セミナー「第一印象10秒戦略」講師
  • 2008年2月 SAMURAIグループ 専任アドバイザー就任


                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
『マナーを楽しむ』バックナンバー
第1回(2008年2月)「美しい動き」 第2回(2008年3月)「立ち方」
第3回(2008年4月)「やわらかな目」 第4回(2008年5月)「あいさつ」
第5回(2008年6月)「思いと実行」 第6回(2008年7月)「タブーその1」
第7回(2008年8月)「タブーその2」 第8回(2008年9月)「手」
第9回(2008年10月)「プロトコール・序章」 第10回(2008年11月)「レディーファースト」
第11回(2008年12月)「食事について」 第12回(2009年1月)「1秒の贈り物」
第13回(2009年2月)「ありがとう」 第14回(2009年3月)「嗅覚〜香り」
第15回(2009年4月)「第一印象のこと @意識」 第16回(2009年5月)「くせ」
第17回(2009年6月)「ハンカチーフ」 第18回(2009年7月)「笑顔」
第19回(2009年8月)「準備力」 第20回(2009年9月)「優しい体験」
第21回(2009年10月)「声」 第22回(2009年11月)「食べる行為について」
第23回(2009年12月)「調和の時間」 第24回(2010年1月)「希望」
第25回(2010年2月)「包まれる」 第26回(2010年3月)「クレーム」
第27回(2010年4月)「表情」 第28回(2010年5月) 「あいづち」
第29回(2010年6月)「はなす」ということ 第30回(2010年7月) 「きく」ということ
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